千葉大ら,世界最薄の有機分子膜作成を実現

千葉大学と京都大学の研究グループは,鉄磁石を利用してこれまでの1000分の1以下の薄さとなる世界最薄の有機分子膜作成を実現した(ニュースリリース)。

昨今,有機ELディスプレーなど,非常に薄い膜を使用した家電製品が実現してきている。これにより,壁掛けテレビや曲がるテレビが開発されている。また,スマートフォンのディスプレーにも有機分子膜が使われている。

さらに分子膜を薄くできれば,膜作成に必要な分子の量を節約でき「省資源」化につながる。さらに,薄くすることで,より小さな電力で分子膜を機能させることができ「省エネ」が実現する。

現在の分子膜の厚さは約0.001mm。これでも十分薄いが研究グループは走査トンネル顕微鏡(STM)を用いた超高感度の顕微鏡観察から,既存の手法で分子膜を薄くしていくと,室温では1個1個の分子が動いてしまい,安定な膜にならないことを発見した。

ところが,鉄磁石の力をかりると,この分子の動きがピタッととまり,非常に安定な分子膜となることを発見した。しかも,その分子膜の厚さを0.0000003mmという,現在使われている分子膜の1000分の1以下にまで薄くすることに成功した。

キーワード:

関連記事

  • 京大など、有機半導体薄膜の構造を分子レベルで正確に解明

    京都大学とオーストラリア グラーツ工科大学は、有機半導体が基板上でつくる厚さ数nmの超薄膜の構造を分子レベルで正確に解明することに成功した(ニュースリリース)。 有機材料は同じ化合物でも複数の異なる結晶構造をとることがで…

    2026.01.30
  • 東大と理研、量子センシングの応用に期待される薄膜振動子の作製に成功

    東京大学と理化学研究所は、エピタキシャル成長した高品質な窒化チタン薄膜を用いて、損失の少ない高性能な薄膜振動子を作製することに成功した(ニュースリリース)。 微細加工技術によって作製された機械振動子は、光やマイクロ波を用…

    2025.12.17
  • 筑波大,発光スペクトルで鉄酸化物薄膜の作成中解析

    筑波大学の研究グループは,電子デバイスなどの材料に用いる鉄酸化物薄膜の作製において,反応性スパッタ中に生じるプラズマ発光スペクトルの全波長データを機械学習で解析し,生成する薄膜の価数状態と成長速度をリアルタイムに推定する…

    2025.09.17
  • 北大,簡便な圧力制御で高性能薄膜トランジスタ開発

    北海道大学の研究グループは,危険な水素ガスや複雑な圧力制御を用いずに,電界効果移動度約90cm2 /V·sの高性能薄膜トランジスタの開発に成功した(ニュースリリース)。 近年,次世代ディスプレー用薄膜トランジスタとして,…

    2025.08.21
  • 京大,⽔素結合性有機薄膜トランジスタを塗布で作製

    京都⼤学の研究グループは,水素結合ネットワークを有する有機薄膜トランジスタを,溶液塗布プロセスを通じて開発することに成功した(ニュースリリース)。 これまで有機半導体として機能する多様な有機分⼦が開発されており,主にπ共…

    2025.05.21

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア