ジャパンディスプレイは,仮想現実ヘッドマウントディスプレイ(HMD)専用の3.6型803ppi低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレー(LTPS TFT-LCD)を開発した(ニュースリリース)。解像度は1920×RGB×2160,リフレッシュレートは90Hz。
同社が量産化しているHMD向けLTPS TFT-LCDは,600ppi程度の画素で画像のリアリティを高めている。しかし,レンズ越しに見たときに画素の固定パターンが見える場合があり,800ppi以上のさらなる高精細ディスプレーが望まれていた。またHMDの小型軽量化のためにはディスプレーを小さく,レンズ倍率を大きくする必要があり,1000ppi以上の高精細への要求が高まっている。
現在,VR-HMD専用機の扱うディスプレーデータ量と速度は,スマートフォンと比較して非常に大きく,そのため通信ベースでリアルタイムにデータを受け取ることは困難であり,有線システムなどを使用することが主流となっている。
しかし,2020年のサービス開始を目指している次世代通信の5Gの登場により,無線通信を使ってリアルタイムにデータを受けることが可能となり,VR-HMD専用機を使った様々なアプリケーションやサービスが生まれる快適な環境が整ってくる。
5G通信の普及により今後,超高精細VR専用液晶ディスプレーが搭載された,VR-HMD専用機の市場規模の拡大が期待できる。同社ではHMD向け高精細ディスプレーの開発を加速し,2018年上期には1000ppiを超えるディスプレーの開発を完了する予定だとしている。