2022年AMOLED世界市場,15億3,660万枚に

矢野経済研究所は,ディスプレイ用AMOLEDパネルメーカー,素子材料(発光材料,共通材料)メーカー,封止材メーカー,静電容量方式のタッチパネルメーカー,偏光板メーカー,基材メーカー等を対象として,AMOLEDパネル及びその主要部材の世界市場の調査を実施した(ニュースリリース)。

それによると,2016年は,従来ハイエンドスマートフォン向けを中心に搭載されていたAMOLEDパネルがミドルエンド品まで採用領域を広げたこと,当時中小型AMOLEDパネルを唯一量産していたサムスンディスプレイ(以下SDC)がOPPO ElectronicやVivo等の中国系スマートフォンメーカーにもAMOLEDパネルを販売開始したことから,同年のAMOLEDパネル世界市場は前年比135.9%の4億2,200万枚と4億枚を超える規模に成長した。

2017年には「Galaxyシリーズ」に加え,2017年11月に発売されたAppleの「iPhone Ⅹ(テン)」がAMOLEDパネルを搭載したことで,同年のスマートフォン向けAMOLEDパネル市場はさらに拡大することが見込まれるという。AppleにおけるAMOLEDパネル採用による量的拡大に加え,Appleを追従し同じ部品・デバイスを求める中国向けも拡大することが予測されるとする。

また,SDCに加えLGディスプレイ(以下LGD)もスマートフォン向けAMOLEDパネルの量産を再開したこと,スマートフォン以外にスマートウォッチ,2in1-PCなどの用途向けにも需要が伸びていることなどから,2018年のAMOLEDパネル世界市場は再び急成長し,前年比134.1%の6億3,550万枚まで拡大すると予測した。

AMOLEDパネルの需要を見据え,BOE Technology Group(BOE),ジャパンディスプレイ,シャープ,China Star Optoelectronics Technology(CSOT),Tianma Micro‐electronics(Tianma) などのパネルメーカーが同パネルの生産開始に向けて設備投資を積極的に行なっており,2019年~2020年からこうした新規パネルメーカーによるAMOLEDパネルの生産が本格化するとみる。

スマートフォンを中心とした中小型AMOLEDパネルの採用拡大,OLED-TV市場の立ち上がりに伴う大型AMOLEDパネルの需要増大,新規パネルメーカーの参入による市場環境の変化等の背景から,2022年のAMOLEDパネル世界市場は,2016年の3倍以上の15億3,660万枚に拡大すると予測する。

その他関連ニュース

  • Kyuluxと日本曹達,有機EL材料量産に向け資本提携
    Kyuluxと日本曹達,有機EL材料量産に向け資本提携 2024年11月20日
  • 富山大,最小電圧駆動有機ELの駆動機構の一部を解明 2024年11月01日
  • 2024年の車載ディスプレー出荷量,前年比5.9%増 2024年10月01日
  • ソニーら,eスポーツ用高速表示有機ELモニター発売 2024年09月30日
  • ソニー,業界最小のOLEDマイクロディスプレー開発 2024年09月24日
  • 東陽テクニカら,有機EL素子の超低輝度検査技術開発 2024年09月12日
  • 住友化学子会社,ガラス透明LEDディスプレー実用化 2024年09月09日
  • 東工大ら,青色有機ELの電子移動が可能なことを実証 2024年08月21日