島津製作所は,マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計「MALDI-8020」を発売する(ニュースリリース)。価格は2400万円(税別)。
マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型(MALDI-TOF)の質量分析計は,四重極型や磁場型などと比べて,広い測定質量範囲と高い質量分解能を両立している点が特長。核酸やタンパク,高分子の測定に強みがあり,その需要は製薬や化学分野を中心に拡大している。ただし,従来機は高さが2m近かったため,設置場所が限られていた。
今回,設計を見直すことで装置の高さを約1mと,従来比半分に抑えた。設置面積は従来比25%減,重量は同74%減に抑えられ,小型化・軽量化に成功した。分解能と感度は卓上型として世界最高級となる。
さらに,従来機種の50Hzから200Hzへというレーザー高速化や排気システムの改良による真空待機の短時間化,さらにはステージの高速化によって,測定時間を大幅に短縮した。
基本設計の見直しによって,保守点検の機会を減らしてランニングコストを下げた。イオン引出光学系をカートリッジ方式に変更し,真空システムのポンプ数を削減した。また,100ボルト電源が使用可能なため,電源追加の設備工事が不要となっている。