オリンパスは,科学事業の新製品として電子部品・半導体業界,自動車業界の研究・開発や品質検査などで使用する3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS5000」を10月18日から全世界で同時発売する(ニュースリリース)。
3D測定レーザー顕微鏡は,サンプルの表面をレーザー光でスキャンすることにより微細形状の拡大観察や,表面粗さ,段差などの形状測定が可能な測定機。
従来,表面形状や表面粗さの測定にはサンプルとの接触により形状を取得する触針式粗さ測定機などが広く使われてきた。しかしフィルムなどの柔らかいサンプルや触針径よりも微細な凹凸を持ったサンプルなど,従来の測定機では測定が難しいサンプルの増加に伴い,測定技術のニーズは接触方式から非接触方式へ,線計測から面計測へといった非破壊・非接触、精密測定への発展が求められている。
同社はこのような要求に応えるべく,非接触かつ大気中で簡単に,かつ正確に幅広いサンプルの表面形状を三次元計測できる測定機として今回の製品を開発した。
405nmの光源波長に最適設計された「LEXT専用10倍レンズ」と,「LEXT専用長作動距離レンズ」を新開発。これらにより収差を極限まで抑え,視野の全領域をより正確に測定できる。またX方向に従来比4倍の4096画素でスキャンする「4Kスキャンテクノロジー」の搭載により解像度だけでなく,形状測定の信頼性も向上した(S/N比2倍向上)ため,画像補正なしにほぼ垂直の斜面形状と微小段差の検出が可能となった。
低倍率から高倍率まで高速・高精度測定可能なアルゴリズムを新搭載し,従来比4倍のデータ取得スピードを実現。また新機能により,データ取得からレポート作成まで一連の作業を自動化し,スタートボタンを押すだけで誰でも簡単に操作できる。そのためバラツキのない,正確な測定結果がスピーディーに得られるとしている。
この機種は拡張フレームモデルにより最大高さ210mmまでのサンプルに対応。拡張フレームモデルは,高さ調整ブロックなどを脱着することで自由に調整できるため,様々な大きさの対象物に対応する。また超長作動距離レンズはサンプルとレンズ間の距離を最大25mmまで確保できるため,サンプルに凹みがある場合も観察・測定ができるという。