大日本印刷株(DNP)は,フロントガラスへの車載ディスプレーからの光の映りこみを防ぎ,運転席からの視認性を高め,車内デザイン設計の自由度や次世代カーナビゲーションシステムにも対応する「車載ディスプレー用視野角制御フィルム」の各種バリエーションを用意した(ニュースリリース)。
車載用の液晶ディスプレーは,運転席の近くのカーナビやスピードメーターなどに使われるため,特に夜間はフロントガラスにディスプレーの映像などが映り込んで前方が見えにくくなり,安全性が損なわれるリスクがある。
この課題に対して同社は,ディスプレーの映像の光をコントロールして見る人の正面に集中させることで,運転の邪魔になるフロントガラスへの映り込みを防ぐ車載ディスプレー用視野角制御フィルムを2015年より提供している。今回,車載ディスプレー機器の設置位置やサイズに応じて,3次元のあらゆる方向に対し,運転席へ光を集中できるよう,フィルムの視野角を制御する機能を高めた。
視野角制御フィルムは,フィルム内に形成した微細なルーバーの形状によって,光の進む方向を制御する。今回,最先端の光学設計・金型切削・微細加工の技術により,光の制御機能をこれまでの固定方向のみならず上下・左右の方向へ任意に光をコントロールすることができるようにした。
微細な賦型形状を製品ごとにカスタマイズして,最適な方向に光の進行方向を制御する。これにより,視認性や映り込みの観点からこれまで制約のあったインパネ部分のデザインが自由に設計できるようになるとしている。