九州大学,ギガフォトン,レーザー技術総合研究所らは,次世代の半導体露光(リソグラフィ)で使われる極端紫外(EUV)光源プラズマに対して,その温度や密度の空間構造を世界で初めて明らかにした(ニュースリリース)。
EUV露光とは,非常に短い波長(13.5㎚)の光を用いるリソグラフィ技術で,従来技術では難しかった半導体の微細加工が可能となる。そのため,Mooreの法則(半導体の微細化は3年で4倍になる)を維持する最重要技術といわれている。
しかしその実用化・普及には,必要な波長域で圧倒的に強く光る光源(温度が30万度程のプラズマ)が必要。研究ではレーザートムソン散乱法という手法を用いて,5ナノ秒の時間分解と,20㎛の空間分解で,EUV光源の温度や密度の2次元空間分布計測を可能とした。
その結果,明るいEUV光源では,中心部の密度が低い「中抜け」の様な状態であり,この特徴的な密度構造が,優れた光源の実現に本質的に重要であることを示した。光源構造が解明されたことで,今後,EUV露光装置の高出力化が促進されることが期待されるとしている。