九大,ミドリムシの光合成能力を重水で判別

著者: sugi

九州大学の研究グループは,重水を使って,藻類の一種であるミドリムシの光合成能力を調べる方法を開発した(ニュースリリース)。

ミドリムシは光合成によって,水と二酸化炭素から糖類を生産する。ストレス環境下では,この糖類をパラミロン顆粒として備蓄し,さらにバイオ燃料にも使える油脂に転換する。光合成能力の高いミドリムシ個体を探し出すことができれば,再生可能なエネルギーの実用化を促進できる。

研究グループは,光合成の原料となる水の代わりに,通常の水素よりも重い「重水素」を持つ水(重水)を使って,光合成により重水素をミドリムシに取り込ませた。

ラマン分光法を原理とした顕微鏡で観察した所,重水素標識された個体を見分けることができた。この手法は,光合成能力の高いミドリムシを選別する方法として,活用が期待できる。

また,この方法と,ImPACT合田プログラムで開発中の,超高速細胞分取装置とを組み合わせることにより,バイオ燃料を高効率に生産する「スーパーミドリムシ」を探し出せることが期待できるという。

キーワード:

関連記事

  • 阪大など、藻類の新たな光利用の仕組みをクライオ電子顕微鏡で解明

    大阪大学、大阪公立大学、チェコ  南ボヘミア大学、伊 ピサ大学は、クライオ電子顕微鏡法により真正眼点藻Trachydiscus minutusの光合成アンテナrVCPの立体構造を2.4Åの高分解能で解明した(ニ…

    2026.03.03
  • 農研機構、市販の装置で葉の光合成速度を高速・高精度に推定する手法を開発

    農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、市販の軽量・小型装置による測定と数理モデルを組み合わせ、葉の光合成速度を高速かつ高精度に推定する手法を開発した(ニュースリリース)。 光合成速度の測定は約100年前から始まり…

    2026.02.27
  • 京大など、藻類の光合成ターボエンジンを制御する「ブレーキ」を発見

    京都大学、理化学研究所、京都女子大学は、光合成におけるCO2濃縮メカニズムを、不要な時に抑制する「ブレーキ役」のタンパク質「CBP1」を発見した(ニュースリリース)。 水中の微細藻類は、「CO2濃縮機構(CCM)」という…

    2026.02.19
  • 東大など、サンゴ白化の異なるメカニズムを発見

    東京大学と神戸大学は、造礁サンゴであるウスエダミドリイシを用いた共同実験から、高温による白化と栄養不足による白化では、共生藻の光合成との関係が大きく異なることを確認した(ニュースリリース)。 サンゴ礁は、多くの海洋生物に…

    2026.01.05
  • 広島大,伊豆諸島で自然海藻群集の光合成生産量を測定

    広島大学の研究グループは,海底からCO2が噴出し自然に高CO2環境となった東京都の伊豆諸島にある式根島沿岸の海藻藻場において,自然海藻群集の光合成生産量を測定した(ニュースリリース)。 人為起源のCO2の放出は未だ留まる…

    2025.11.07
  • 埼玉大ら,光合成を支える新たな酵素CCR4Cを同定

    埼玉大学,宇都宮大学,電力中央研究所,山形大学の共同研究チームは,モデル植物シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)において,CCR4Cというタンパク質が葉緑体内でNADP(H)を脱リン酸化する酵素(N…

    2025.10.21
  • 日大ら,光合成生物分裂の新たな仕組みを発見

    日本大学,独ダルムシュタット工科大学,基礎生物学研究所,山形大学,国立遺伝学研究所は,光合成生物の細胞や葉緑体の分裂制御において,これまで未知であった多重膜の分裂を制御する仕組みを解明した(ニュースリリース)。 私たちの…

    2025.10.21
  • ABCら,マリモの光合成能力低下を解明

    アストロバイオロジーセンター(ABC),神奈川大学,東京科学大学,釧路市教育委員会マリモ研究室は,阿寒湖のマリモは,湖が解氷した直後に低水温と強い日射にさらされることで,光合成能力が著しく低下する光阻害という深刻なダメー…

    2025.10.02

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア