金沢大学と和楽仁芳珠記念病院,EIZO,PFUの子会社でグループ内の新規ビジネス創出を担うPFUビジネスフォアランナーは,国内で初めて遠隔地の病院間で,4K映像伝送を用いた血管内治療・遠隔医療指導の実証実験を実施した(ニュースリリース)。
カテーテル治療をはじめとする血管内治療は,患者の身体に負担が少なく大きな効果も期待できるが,高度な専門的知識と医療技術を必要とする。そのため,高難度の治療においては熟練した専門医の確認のもとでの施術が望まれるが,常にそのような体制で実施できる施設は多くない。
そこで,金沢大学,EIZO,PFU ビジネスフォアランナーは,2015年に共同研究契約を締結し,遠隔医療指導システムの実現を目指して,金沢大学附属病院内おいて10件の臨床実験を行ない有効性の検証を進めてきた。
6月16日,指導側の金沢大学附属病院と施術側の芳珠記念病院を結び,初めて,実際に遠隔地の病院間で実証実験を実施した。実証実験では,金沢大学附属病院の医局と,芳珠記念病院の血管造影室を高速IPネットワークでつなぎ,2時間におよぶ血管内治療「選択的肝動脈化学塞栓療法」の指導を行なった。
この実証実験の結果,遠隔地からでもその場にいるかのような臨場感で術中の指導が行なえることを確認することができ,このシステムが,商用回線を利用した病院間での遠隔医療指導において,有効に機能することが確認できた。
今後は,実運用に向けた医療現場での運用評価を進め,遠隔医療指導システムの普及による,・地域遠隔医療の発展・指導下での施術機会増加による,専門医の手技技術・安定性・治療効果向上とこれらの効果による治療時間短縮・指導医の負荷軽減,施術スケジュール調整の容易化の効果,を享受できる社会を目指すとしている。