新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,2030年の高度IoT社会の実現に向けて,データ解析やセキュリティ分野を対象に処理効率や速度などで従来比10倍以上の性能を目指す新たな技術開発6テーマを採択した(ニュースリリース)。
あらゆるモノがインターネットにつながるIoT社会が進展するなか,大量のデータを社会のさまざまな場面で一層活用していくためには,技術シーズの更なる性能向上とシステム全体としての最適化が求められる。
NEDOでは,「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」において,2030年の高度IoT社会の実現を目指し,革新的かつ分野横断的な基盤技術開発について昨年7月に12件の研究開発テーマに着手した。今回,新たに事業者の追加採択を行ない,データ解析やセキュリティ分野を対象に処理効率や速度等を従来比で10倍以上とする6件の研究開発テーマに着手する。
このうち光関係では,「高速ビジョンセンサネットワークによる実時間IoTシステムと応用技術開発」が採択された。受託先として東京大学を予定する。これは,カメラのネットワーク化と高速フィードバックを実現し,リアルタイム・高速なIoT解析システムを実現するもの。工場等における検査・FA(ファクトリー・オートメーション)を対象にその有効性を検証し,事業展開を目指す。
具体的には,①カメラのネットワーク化(同期)と高速フィードバックを可能にするシステムアーキテクチャの提案,②高速ビジョンのためのプラットフォーム開発を行なうとともに,応用技術として③高速検査,④センサフュージョン,⑤作業支援の開発を行なう。
プロジェクトでは,システムとしてデータを収集,蓄積,解析するために必要となる基盤・実装技術とそれらに必要となるセキュリティ基盤技術などの研究開発を行ない,ユーザーとも連携することで新技術の社会実装を進めていく。これによりIoT技術を用いて,社会・産業の変革と効率化を加速させるとしている。