大日本印刷(DNP)と積水化学工業(積水化学)は,フィルムタイプの色素増感太陽電池(以下フィルムタイプDSC)を搭載し,室内でも発電しながら駆動できる電子ペーパーを共同開発した(ニュースリリース)。4月中旬より,都内のコンビニエンスストアの店頭に電子看板として設置し,実証試験を開始した。
光を吸収する色素を利用して発電するフィルムタイプDSCをDNPの電子ペーパーに搭載することで,自ら発電しながら駆動できるようにしており,照度の低い(照度500ルクス以下)室内の照明でも発電できる。電源が不要で,薄く軽量で持ち運びしやすいため,さまざまな場所に設置できる。また,電子ペーパーは,光の反射を利用しているため照明下や日中の屋外などでも情報が見やすく,高いアイキャッチ効果が得られるとしている。
第1弾として,組み立てが簡単な「DNPかんたん組み立てPOP PaPaTPoPTM(ぱぱっとポップ)」に電子ペーパーとフィルムタイプDSCを搭載し,持ち運びやすく,コンセントなどの配線が不要で,どこにでも設置できる電子看板を開発した。店頭やイベント会場など,さまざまな場所で利用できる。
両社はコンビニエンスストアの店頭をはじめとして,この製品の実証実験を各所で展開しながら顧客企業に対する認知拡大を進め,2017年度中の販売を目指す。また電子看板などのプロモーション用途のほか,商業施設等の建築装飾材や交通インフラ用の情報表示器を開発するなど,両社の連携によって幅広い分野で新しい市場を開拓する。