東成エレクトロビームは,金属表面の樹脂や塗装膜,錆などをレーザーで除去するクリーニング装置「イレーザー」を開発し,実用展開を進めている(写真左:本体,右:ヘッド部)。
レーザーによるクリーニング技術は従来より提案,開発がされてきたものだが,実用化にはコストが課題となっていた。同社が開発したレーザークリーニング装置はこれを解決したもので,大幅なコストダウンを図ったとしている。また,クリーニングのためのパラメーター(条件出し)の確立を進め,除去性能も向上させてきた。
レーザークリーニングは除去対象物と母材のレーザーに対する加工しきい値を利用する。条件を設定することにより,母材にダメージを与えることなくクリーニングが可能となる。イレーザーはファイバー伝送によるレーザー照射ヘッドと制御部本体とで構成され,ヘッド部の重量は2.5㎏。ガルバノスキャナーによって最大172mmをスキャンする。カタログ値ではレーザースキャン周波数は1-200Hzとしている。
レーザークリーニング装置は出力70Wモデルと38Wモデルをラインナップ。パルス周波数範囲は1-100kHz。AC100V仕様で,チラー不要の空冷となっている。同社はレーザー・電子ビーム加工を専門とするジョブショップで,レーザークリーニング装置はそこで培った加工技術を導入したもの。今後は低価格を訴求し,レーザークリーニング装置の拡販を図るとしている(写真左:クリーニング前,右:クリーニング後)。