オムロンは,変位センサーの新シリーズとして,ファイバー同軸変位センサーの小スポットタイプ「ZW-5000シリーズ」を2017年4月3日から発売する(ニュースリリース)。
近年,半導体やフラットパネルディスプレーなどデジタル機器の生産現場では,製品の高精細化や薄型化に伴い,微細な電子部品や部品間の狭い隙間の高さや形状の測定が求められている。一方,従来型の変位センサーでは,センサーヘッドから照射する光のスポットサイズが測定対象よりも大きいため正確な測定が行なえず,品質検査上の課題となっていた。
新製品は,同社独自の光学技術「白色共焦点方式」により照射光のスポットサイズを従来製品比1/5となる最小10μm以内に絞った。さまざまな素材や形状の測定対象物を,センサーヘッドを移動させながら連続してミクロンオーダーで計測することで,高精度な品質検査と検査時間の短縮を実現するという。
白色共焦点方式は,センサーから白色光を色別(波長別)に集光位置を変化させて照射し,焦点を結んだ波長光だけを反射光として受光し,その色情報にとって高さを測定する原理。
従来のレーザー三角測距方式では,測定対象物の表面のざらつきのために発生する多重反射光をセンサーが受光する仕組みのため,移動測定が不安定となるが,この方式では測定に関係のない多重反射光は受光しないため,ざらつきのある粗面を移動しながら測定しても安定して正しく測定ができる。
同社ではこの製品により,微細部品の隙間や,位置,形状の高精度な計測が必要な半導体やフラットパネルディスプレーの生産現場においても,高速・高精度な品質検査を可能にするとしている。