日本電信電話(NTT)は,研究所内の最先端のInP化合物半導体R&Dプロセスによる超高速IC技術をオープン化し,パートナーとのコラボレーションを通じた技術のさらなる進化をめざす(ニュースリリース)。
NTTは通信の大容量化をめざし,シリコンよりも高速化や高出力化が可能なInP化合物半導体プロセスを用いる超高速IC技術の研究開発を進めてきた。これまで,300GHz帯を用いた数十Gb/sの伝送速度を有するテラヘルツ無線用小型無線機による2GB/sの高速データ転送や,光通信送信機の出力信号速度を倍にする帯域ダブラにより,データセンター等で使われる将来の短距離大容量通信において250Gb/sの伝送を実証してきた。
この技術により,世界トップレベルの動作速度を有する化合物半導体R&Dプロセスを用いた超高速ICを実現できる。例えば,シリコンCMOSを凌駕するfT/fmax=400/450GHzの特性を有するInP HBTによるシリコン技術の倍の広帯域特性のICなど,シリコンではできない超高速アナログICが実現可能だという。
今回,このInP化合物半導体R&Dプロセスを用いる超高速IC技術をパートナーにオープン化する。2017年にコラボレーションをするパートナーを募り,2018年にプロセスデザインキット(PDK)を配布し,最先端化合物半導体R&DプロセスでのIC化を支援しながら,超高速ICを用いた新サービスや新産業の創出と,超高速IC技術のさらなる進化をめざす。