パイオニアは,同社のCATV関連機器の開発・製造・販売に関する事業を,会社分割の手法を用い,仏Technicolor S.A.の子会社であるTechnicolor Delivery Technologies S.A.S.(テクニカラー) に譲渡する株式譲渡契約を締結すると発表した(ニュースリリース)。
同社におけるCATV関連機器事業については,吸収分割の方法により,3月31日に同社の100%子会社のパイオニアケーブルネットワーク(PCN)に承継させ,同日付で,PCNの発行済株式の51%を,テクニカラーに譲渡することを予定している。これに伴い,PCNは同社の持分法適用関連会社となる。
同社は,車室空間における快適,感動,安心・安全を創出する「総合インフォテインメント」のリーディングカンパニーとなるべく,カーエレクトロニクス事業への経営資源の集中を加速し,成長戦略を迅速かつ確実に実行するため,カーエレクトロニクス事業以外の事業については,選択と集中を推進している。
同社のCATV関連機器事業は,約40年以上にわたって日本を中心に事業を展開してきており,独自技術により双方向CATVシステムやデジタルCATVシステムなど,業界初の製品を市場導入してきたが,事業の選択と集中により今回の措置となった。同社CATV関連機器事業の平成28年3月期の売上高は,4,221百万円となっている。
PCNに対しては,引き続きパイオニアの商標および商号を使用許諾する予定。なお。譲渡先となるテクニカラーの親会社であるTechnicolor S.A.は,メディアおよびエンターテインメント業界をリードするフランスの上場企業。コネクテッドホームおよびエンターテインメントサービスを中心に,知的財産およびライセンス事業も展開している。CATV関連機器事業を含むコネクテッドホーム事業は世界第2位の事業規模を誇り,平成28年12月期のコネクテッドホーム事業の売上高は26億ユーロとなっている。