日立ハイテクとピコサン社,原子層堆積装置を共同開発

日立ハイテクノロジーズとフィンランド Picosun Oy(ピコサン社)は1月30日,プラズマを利用した原子層堆積(Plasma-Enhanced Atomic Layer Deposition,PE-ALD)装置の共同開発について発表した(ニュースリリース)。

この装置に搭載予定の共同開発によるマイクロ波ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマを用いたALD技術は,半導体デバイス製造時の成膜工程にて,微細化や三次元構造への対応を実現し,革新をもたらすものだとしている。

半導体デバイスの技術革新は急激なスピードで進み,微細化や三次元構造化など,さまざまな先端技術が日々進化を遂げている。それに伴い,半導体製造プロセスの一環である成膜工程の技術も進化し,近年はアスペクト比が高い構造体などへの成膜が得意なALDの活用が進んでいる。しかし従来のALDでは,膜質劣化の懸念から成膜工程の低温化が制限されていた。

両社が共同開発中のPE-ALD装置は,日立ハイテクのマイクロ波ECRプラズマ技術とピコサン社のALD技術という,双方が長年培ってきた技術を組み合わせることで,プラズマによる成膜反応を促進させ,既存のPE-ALD装置よりも低温にて高品質の膜を生成することができる。低温で高品質成膜が可能となったことで,今後の多機能化・微細化・三次元構造化・薄膜化に対して有力なソリューションとなるとしている。

現在,複数の膜種について評価中であり,窒化膜や酸化膜などの膜については,300mmウエハを用いて優れた膜質を確認しているという。

その他関連ニュース

  • TDKら,超高速で光検出する超小型光電融合素子開発 2025年04月16日
  • KEK,動作中の半導体デバイスの内部構造を可視化 2025年04月11日
  • 浜ホト,光半導体製造後工程の新工場が竣工 2025年03月28日
  • 阪大ら,半導体と金属界面の接触抵抗の評価法を一新 2025年03月27日
  • inspec,露光装置事業からの撤退を発表 2025年03月24日
  • 浜ホト,韓国に半導体故障解析装置の工場新設 2025年03月13日
  • 東大,フォトマスク1枚のAIプロセッサ作製法を開発 2025年02月26日
  • 阪大,半導体材料に期待の二酸化バナジウム超薄膜化 2025年02月20日