住友電気工業と豪クイーンズランド工科大学は,「集光型太陽光発電(CPV)」の実証設備を完成させ,共同実証実験を開始したと発表した(ニュースリリース)。
オーストラリア・クイーンズランド州は,広大な国土に広く延びた電力網を抱えていることから送配電コストの負担が大きく,分散型電力システムのニーズが特に高い地域であり,環境への配慮から脱化石燃料に対する意識も高まっている。政府主導で再生可能エネルギーの導入計画が積極的に進められており,メガソーラーの導入についても黎明期にある。
同国は直達日射量の高い土地を多く有しており,高日射で高温な環境で優位性を発揮する当社製CPVを導入するには好適な地域。特にクイーンズランド州はこうした好条件な日照環境と強い環境意識の下,同州では再生可能エネルギーの普及率を,現在の4.4%から2030年までに50%にまで引き上げることを目指している。
今回住友電工は,2016年11月にクイーンズランド州政府の協力のもと,クイーンズランド工科大学との間でCPVの共同実証に関する契約を締結,同州レッドランドにある州政府関連の研究施設内に当社製CPVを用いた設備を建設し,実証実験を開始した。1月25日には竣工式が開催され,同州の政府関係者や大学,企業関係者など50名以上が出席した。
実証期間は2年間の予定で,総発電量の計測などを行ない,CPVがもたらす経済効果の検証を行なう。