高柳健次郎財団は,電子科学技術及びその応用に関する独創性ある研究開発について表彰する「高柳健次郎賞」1件,「高柳健次郎業績賞」2件,「研究奨励賞」3件を決定した(ニュースリリース)。
高柳健次郎賞は,東北大学名誉教授で国立高等専門学校機構顧問の内田龍男氏が,「液晶の基礎物性の解明および高品位カラー液晶テレビの研究開発への貢献」における業績で受賞した。
内田氏は,理論や実験手法も確立されていない”液晶”を,化学合成からスタートし,高純度化,基礎物性の解明および配列方向の制御技術の研究により,再現性や精度の高い生産技術の確立に大きく貢献した。
さらに,広視野角で高速応答するフルカラー液晶ディスプレーの研究開発および薄型,省電力で高機能化なモバイル向け液晶ディスプレーの研究開発において,世界の液晶ディスプレー研究開発をリードし,カラー液晶TVからスマートフォンまで,世界中の電子ディスプレーの発展に多大な貢献と産業界への先端技術普及および育成に尽力したことが評価された。
また,高柳健次郎業績賞は,東京大学先端科学技術研究センター教授の稲見昌彦氏が,「情報空間におけるインタラクション技術に関する先進的研究」で,NHK放送技術研究所上級研究員の島本洋氏が,「8Kスーパーハイビジョン用イメージセンサの開発」でそれぞれ受賞した。
各賞は,東京大学名誉教授の羽鳥光俊氏を委員長とする選考委員会の審査により選定された。贈呈式は,1月20日,東京 千代田区のアルカディア市ヶ谷(私学会館)にて開催された。