住友電工,自前のビームラインを構築

著者: sugi

住友電気工業は2015年2月より,佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター内に,材料分析を行うための実験ステーション(ビームライン)の建設を進めてきたが,本年11月より稼働を開始した(ニュースリリース)。

SPring-8などの放射光施設では,市販のX線装置に比べて1万倍以上の高強度X線を用いることで,従来困難だった高精度・高感度の材料分析が可能となる。これまで同社は自動車用ワイヤーハーネス,無線基地局用デバイス,フレキシブルプリント回路,高温超電導線材,切削工具など各種製品の開発において,国内外の放射光施設を積極的に活用してきた。

しかし,利用できるビームラインは他の機関も共同で利用するものであり,利用時間には限りがあった。そこで,九州シンクロトロン光研究センター内に同社グループ専用のビームラインの建設を進め,今年11月から稼働を開始した。

これにより,難点であった利用時間の不足を解消し,分析ニーズに即応できるようになった。更に製造中あるいは使用環境下での状態を再現したその場分析などにより,製造プロセスや製品特性を革新的に改善し,低コストかつ高品質な製品をより早く開発し,提供できる体制になった。

同社では今後,専用ビームラインを活用し,レドックスフロー電池や光ファイバーなどの新製品の性能向上,及び,既存製品の品質改善など幅広い分野で開発を加速させていくとしている。

キーワード:

関連記事

  • KEK,加速器による最先端半導体露光技術の研究促進

    高エネルギー加速器研究機構(KEK)は,加速器による半導体露光技術の研究開発を促進すると発表した(ニュースリリース)。 最先端の半導体である3nmプロセスに用いられる極端紫外線(EUV)のレーザーは赤外線からのエネルギー…

    2025.06.30
  • 東工大ら,化学反応中の分子構造変化を即時追跡観察

    東京工業大学,東北大学,筑波大学は,化学反応性を持つ金属錯体をタンパク質結晶に固定化し,X線自由電子レーザー(XFEL)と量子古典混合(QM/MM)計算を用いて化学反応中の金属錯体の構造変化をナノ秒レベルで原子分解能追跡…

    2024.07.09
  • 東大ら,XFELで生体観察できる軟X線顕微鏡を開発

    東京大学,理化学研究所,高輝度光科学研究センターは,生きた哺乳類細胞の姿を観察できる軟X線顕微鏡を開発した(ニュースリリース)。 水を透過し炭素に強く吸収される水の窓軟X線を用いて顕微観察を行なうことで,小さな生体細胞の…

    2024.05.24
  • 東大ら,XFELでユーロピウムの局在電子を直接観測 

    東京大学と兵庫県立大学は,X線自由電子レーザー(XFEL)を提供する韓国のXFEL施設PAL-XFELにおいて,価数転移を示すランタノイド元素:Eu(ユーロピウム)を含む金属間化合物:EuNi2Si0.21Ge0.79)…

    2024.05.08
  • 阪大ら,X線自由電子レーザーの極限的集光に成功

    大阪大学,名古屋大学,理化学研究所,高輝度光科学研究センターは,X線自由電子レーザー(XFEL)の極限的7nmのスポット集光を実現し,1022 W/cm2のピーク強度を達成した(ニュースリリース)。 これまでに超高精度な…

    2024.03.18
  • 理研ら,微小結晶試料の構造をXFELで高精度に解明

    理化学研究所(理研),高輝度光科学研究センター,東京大学は,X線自由電子レーザー(XFEL)を,構造解析が難しい微小結晶試料に応用する技術を開発し,薬剤候補物質や有機半導体材料などの分子構造決定に成功した(ニュースリリー…

    2024.02.29
  • 島根大ら,DEDで形成される空孔のメカニズムを解明

    島根大学,英University College London,英Rolls-Royceは,金属積層造形における空孔の生成・滞留・放出のメカニズムをX線シンクロトロンと数値シミュレーションにより詳細に明らかにした(ニュー…

    2024.02.29
  • 東北大,強力な力を生む渦キャビテーションを可視化

    東北大,強力な力を生む渦キャビテーションを可視化

    東北大学の研究グループは,液体が高速で流れる際に圧力が低下して気体(泡)に相変化する現象「キャビテーション」の有効利用に重要な渦キャビテーションの構造を,XFELを用いて世界で初めて可視化することに成功した(ニュースリリ…

    2023.12.15

新着ニュース

人気記事

新着記事

  • オプトキャリア