ウシオ電機は,45歳以上の管理職および42歳以上の一般社員を対象として,100名程度早期退職優遇制度の特別募集を行なうと発表した(ニュースリリース)。
同社グループのコアビジネスである光源事業は市場が成熟しつつあり,装置事業のうち光学装置事業は競争激化や高製造コストによる低収益が継続している。また,事業環境の変化に伴い,グループを挙げてM&Aを含む成長戦略を積極的に展開しているが,その収益寄与にはまだ時間を要し,コスト構造改革が喫緊の課題となっている。
その中で,映像装置事業は前期から急激に事業環境が変化,特に中国での競争激化により業績が悪化した。具体的には,デジタルシネマプロジェクターの販売台数は増加したものの,新興国で需要が拡大している中小型タイプにおいて競争が激化したことによる販売単価の下落があった。
一般映像用装置については,アミューズメントパークやイベント向けプロジェクターの販売は堅調に推移したものの,映像装置市場においてフラットパネルディスプレーなどの浸透が拡大し,常設タイプの中小型プロジェクターを中心に販売が低迷した。
さらに光源事業において,円高ドル安の進行による為替影響もあり,同社の平成29年3月期の第2四半期連結累計期間における売上高は825億2千万円(前年同期比6.9%減),営業利益は31億3千9百万円(前年同期比52.0%減)となっていた。
同社は海外子会社において人員削減を含む抜本的な構造改革を実施している。こうした状況の中,本体においても人員適正化に取り組むとして,今回の措置となった。