三菱電機はレーザーを光源に用いたPM2.5検出器を開発し,11月9日に開催した同社の経営戦略プライベートショー「アドバンストソリューション2016」にて展示をした(ニュースリリース)。
PM2.5を検出するセンサーとして,LEDを光源に用い,計測エリアをPM2.5の粒子が横切るときに発する散乱光の強度を電気信号に変換するタイプのセンサーがこれまで開発されており,製品化も行なわれている。しかし,同社は光源をレーザーとすることでより精度の高いセンシングを可能にした。
具体的には,赤色の半導体レーザー(出力数mW)を用いた。レーザー光が微粒子に当たるときに全方位に広がる散乱光をより高精度に検出するために,2枚の集光ミラーを搭載したダブルミラー構造を独自開発した。これにより,集光ミラー1枚のみの場合に比べて約1.8倍の散乱光を集光する。
また,偏光ビームスプリッタを搭載しており,集光した散乱光の偏光の変化を調べることで微粒子の形状を判定する独自のアルゴリズムを開発した。これにより,検出した微粒子がPM2.5なのか花粉やホコリなのかを判別しながら,カウントすることができるという。
この検出器と100万円クラスの粉塵測定器を比較したところ,そん色の無い検出結果を得ることができたとしている。同社ではこのPM2.5検出器について,空調機などその応用先を探している。