産総研,新原理の超低消費電力LSIを開発

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクト「エネルギー・環境新技術先導プログラム/ULPセンサモジュールの研究開発」における成果をもとに,産業技術総合研究所(産総研)は0.2~0.3Vの超低消費電力で駆動が期待できる新たな原理のトランジスタを用いたLSIの動作実証に成功した(ニュースリリース)。

あらゆるモノがインターネットでつながるIoT(Internet of Things)の普及に伴い,生活空間のあらゆる箇所に無数の自立電源で動作する無線センサノードが設置され,ネットワーク化されることが予想され,無線センサモジュールの超低消費電力化が重要な課題となっている。

開発した回路は,トンネル電界効果トランジスタ(トンネルFET)を用いたもの。トンネルFETは,0.2~0.3Vの超低消費電力での駆動および高い動作周波数での使用が期待されているトンネル効果を利用したトランジスタだが,N型およびP型からなる相補型LSIの形成の困難さがボトルネックとなり,動的回路動作での実証は行なわれていなかった。

今回,NEDOプロジェクトにおいて抽出された課題の一つであるトンネルFETの動的回路動作の実証を,産総研が独自に実施し,リング発振回路を用いて動的回路の動作確認に成功した。

これにより,トンネルFETを用いたLSIの性能向上を動作周波数で検証することが可能となり,実用化に向けた検討段階に入る。今後は動作速度の改善と動作電圧の低下に向けた研究開発を行ない,複雑な回路への応用や動作周波数の向上を目指すとしている。

キーワード:

関連記事

  • 浜松ホトニクス、内部加工型レーザダイシング技術で文科大臣表彰を受賞

    浜松ホトニクス、内部加工型レーザダイシング技術で文科大臣表彰を受賞

    浜松ホトニクスは、令和8年度「科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞・開発部門)」において、「内部加工型レーザダイシング技術の開発」で受賞したと発表した(ニュースリリース)。 同表彰は、社会経済や国民生活の発展に寄与…

    2026.04.17
  • LSTC、光電融合を加速する半導体パッケージ技術開発に着手

    技術研究組合 最先端半導体技術センター(LSTC)は、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、「光電融合を加速する半導体パッケージング技術開発と先端後工程拠点形成」が採択されたと発表した(ニ…

    2026.04.14
  • OFC2026、AI需要が牽引する光電融合技術の最前線、過熱の中で見える次の課題

    OFC26(会期:2026年3月15日~19日/ロサンゼルス・コンベンションセンター)は会期2日目(現地時間3月18日)を迎え、展示会場とカンファレンスは引き続き強い熱気に包まれていた。初日のレポートでも触れた通り、生成…

    2026.03.19
  • AIインフラを支える光技術が集結、OFC 2026開幕―光電融合と巨大投資が示す新局面

    光通信分野で世界最大級の国際イベント「OFC 2026」が米国ロサンゼルス・コンベンションセンターで開幕した。会期は2026年3月19日(米国時間)までで、カンファレンスは15日から行なわれているが、展示会は17日にスタ…

    2026.03.18
  • 【解説】オキサイド、半導体後工程向けレーザー加工装置事業を強化

    オキサイドは、台湾のレーザー微細加工装置メーカーBoliteと業務提携に関する基本合意を締結し、半導体後工程向けレーザー加工装置事業の強化に乗り出す。これまで同社は深紫外レーザーなどの光源技術を活かし、主に半導体前工程の…

    2026.03.17

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア