フジクラは,エネルギーハーベスティングの用途に最適となる色素増感太陽電池を開発したと発表した(ニュースリリース)。
世界中で開発が進んでいるIoTの分野では,今後様々な場所で多くのセンシングシステムが使用されるようになると予想されているが,AC電源の設置工事やバッテリー交換の手間が不要で,廃棄物が出ず環境に優しいエネルギーハーベスティング(環境発電)がそれら多くのセンサー機器を駆動する有力な方法として期待されている。
同社は,エネルギーハーベスティングデバイスとして直射日光が得られない照度環境下でも優れた発電特性を発揮する色素増感太陽電池を昨年より販売開始しているが,センサー機器の小型化が進むにつれて,太陽電池も小型薄型化が課題となっていた。
同社は今回,信頼性を損なわずに素子の封止構造を簡素化することに成功し,従来製品と比べて発電有効面積が約1.2倍,厚さが約半分となる2.5mm厚のモジュールを開発した。
同社は今後,普及が加速していくと予想されるIoTセンサー機器の完全バッテリーレス化や,これを用いたZEB(ネットゼロエネルギービル)の実現といった,環境対策向け製品として色素増感太陽電池を拡販していくとしている。