旭硝子は,インドネシアの同社連結子会社アサヒマス板硝子社(AMG)のチカンペック工場に,建築用ガラスの遮熱性能を高めるコーティング加工設備を新設すると発表した(ニュースリリース)。
インドネシアはもとより,東南アジアで高まるビルの省エネ化ニーズに応えるもので,設備投資額は約40億円,生産能力は年間約600万m2,2018年第2四半期から生産を開始する予定。
東南アジアのガラス需要は,年率5%以上の成⻑が見込まれ,特にインドネシアでは国内の堅調な経済成⻑を背景として建築用および自動車用の需要が拡大しているという。AMGは本年10月にジャカルタ工場の年産15万トンのフロートガラス生産窯を停止し,本年12月にはチカンペック工場で年産21万トンの最新鋭設備での商業生産を開始する。
建設ラッシュが続く東南アジアでは,燃料の輸入増加や電力不足などを背景として省エネ性向上が課題となっており,インドネシア政府は年間を通じて冷房を使用するビルなど大型建築物での省エネ化政策を推進している。遮熱性能を高めるLow-E膜付きガラスは,冷房効率を高め,使用エネルギー量削減のための解決策の一つとして需要が急速に高まっている。
こうした状況を踏まえ,同社はフロートガラスの生産拡大に加えて,最新鋭のスパッタリング法によるオフラインコーティング加工設備の新設を決定した。Low-E膜をコーティングすることにより,高い可視光透過率を維持しながら,遮熱性能,断熱性能の両面を向上させた省エネ化製品のラインナップを拡充していく。