パナソニックは10月31日に開催した取締役会において,同社の連結子会社であるパナソニック プラズマディスプレイ(PPD)を解散し,特別清算開始の申立てを行なうこと及び当社のPPDに対する債権を放棄する旨の決議を行なった(ニュースリリース)。
パナソニックは,PPDの前身である松下プラズマディスプレイ製造(平成20年10月にPPDに社名変更)を平成12年7月に設立した。しかしながら,液晶との競争激化や市場価格の大幅下落等により,プラズマディスプレーパネル事業の継続は困難と判断し,平成26年3月末でPPDの事業活動を停止した。
その後,PPDが所有する資産(大阪府茨木市及び兵庫県尼崎市の工場,生産設備等)の処分を進めてきたが,その処分が完了したことから,PPDの解散及び特別清算開始の申立てを行なうとともに,同社のPPDに対する債権を放棄することにした。
同社が放棄する債権として,平成28年10月31日現在,貸付金5,000億円がある。同社は,個別決算において平成28年3月期末現在,PPDの株式に対する関係会社株式評価損残高525億円を計上するとともに,PPDに対する将来の損失見積り額について,関係会社事業損失引当金4,943億円を計上している。
特別清算開始の申立てに伴い,取立不能となることが見込まれる追加の損失57億円については,平成29年3月期において計上する予定。なお,この件に伴い,連結決算上の当社繰延税金資産の回収可能性を検討した結果,平成28年9月末の連結財務諸表において,繰延税金資産を182億円追加計上(法人税等の減少)している。