東京エレクトロンデバイス(TED)は,1,000f/sで8bit階調の映像を,最少遅延3msで投影できる世界最速レベルの高速プロジェクター「DynaFlash(ダイナフラッシュ)」を10月19日に発売する(ニュースリリース)。
現在,プロジェクターは映像の投影に利用されるだけでなく,拡張現実(AR)やユーザーインタフェース,3次元計測など幅広い分野に応用されているが,従来のプロジェクターはフレームレートが30fps~120fps程度のものが主流であり,対象物が動いた場合などは映像や認識に大きなズレが生じるため,活用できる範囲が限られていた。
TEDと東京大学は2014年5月より,プロジェクターのフレームレートを高速化する共同研究を行ない,2015年7月に1,000f/sで8bit階調の映像を,最少遅延3msで投影できる高速プロジェクタ試作機を開発している。
新製品は,筐体サイズ260mm×270mm×120mm,質量4.5Kgと,一般的なプロジェクターと同等のサイズなので,容易に持ち運びができ,各種研究における様々な実験・評価環境に柔軟に対応できる。また,画像処理用PCとのインタフェースにPCI Express 光I/Fを採用しており,本体と画像処理用PCは離れた場所に設置できるようになり,実験スペースの上に天吊りするといった利用もできる。
表示デバイスは0.7”型DMDで,解像度は1024×768(XGA)。光量は500 lmとなっている。アプリケーションとして,ダイナミックプロジェクションマッピング,リアルタイム3次元形状認識,リアルタイムスキャニング,検査,ロボットビジョン,拡張現実(AR),高速ジェスチャーUIなどを提案している。