日本大学理工学部 電子工学科教授の塚本新氏が,光と磁気に関する先駆的研究の功績が認められ,(公社)日本磁気学会より「日本磁気学会優秀研究賞」を受賞した(ニュースリリース)。
この賞は,磁気の学理および応用に関する一連の研究を通して学会の発展に貢献があった人へ優秀研究賞を授与しているもので,今回,塚本氏が推進してきた「超短パルスレーザによる超高速磁化応答計測と制御に関する先駆的研究」に対し,賞が授与された。
受賞理由として,同氏の長年にわたる光と磁気との相互作用に関する研究において,近年は超短パルスレーザを用いた時間領域磁化ダイナミクス計測・制御および光照射による磁化反転制御等先駆的研究を推進しており,その研究成果は世界的に評価されていることが挙げられた。
磁化の高速ダイナミクスの詳細理解および新たな超高速磁化制御技術の必要性に着目した研究は,数十フェムト秒という超短時間光照射のみで,室温環境下で完全磁化反転する光誘起磁化反転現象を実証し,その後の継続検討を重ね超短時間磁気物理研究分野の発展に多大な貢献をもたらしたとている。
また,超高速磁気応用,スピントロニクスデバイスに向けた基盤技術としても非常に重要な意味を持つものであり,今後の研究展開への期待が大きいとした。
表彰式は,9月7日に金沢大学において開催された第40回日本磁気学会学術講演会にて行なわれた。