東工大,混ぜるだけで有機デバイス材料を合成

東京工業大の研究グループは,典型元素である“ホウ素”があたかも遷移金属のように振る舞う新反応を発見した(ニュースリリース)。

これにより,アセチレン誘導体をひとつの反応容器で行う反応(ワンポット反応)で芳香環化できることから,様々なπ共役化合物を極めて容易に合成できるという。今後,有機エレクトロニクス材料開発への応用が期待される。

π共役化合物は,近年盛んに応用開発が行なわれている有機エレクトロニクスの基盤となる化合物群。研究グループでは,ホウ素を組み込んだπ共役化合物の合成研究の過程で,ホウ素化合物がアセチレン誘導体に対して連続的に炭素-炭素結合形成反応を引き起こし,最終的にホウ素が脱離することで,純粋な炭化水素骨格からなるπ共役化合物が得られることを見出した。

このような反応パターンは,遷移金属が触媒する結合形成反応ではよく知られているが,典型元素であるホウ素では初めての例となる。この成果は,幅広いπ共役化合物の新合成手法としてばかりでなく,基礎化学的にも,典型元素の化学のより深い理解へつながると考えられるという。

π共役化合物は,有機半導体材料,発光材料,動的な性質やキラルな構造に基づく新機能材料など,次世代技術である有機エレクトロニクスを支える物質としての活用が期待されるという。

現在,研究グループでは,この手法を利用した機能性π共役化合物の開発に取り組んでいるほか,典型元素化学のより深い理解へ向け,この反応のメカニズムの詳細な解析に力を入れている。

また,今後,この手法で用いるホウ素化合物が,有機合成用試薬として東京化成工業より販売されるという。

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