ウシオ電機は,OPIE’16にて新製品のシートビームレーザーのデモを行なっている(ブースNo.G-14)。
この製品は粒子イメージ流速測定法や粒子追跡流速計測法と呼ばれる,粒子を含む空気を測定対象に流し,シートビームを照射することで流体の速度分布を解析する手法に用いる光源。自動車や航空機,建築などの分野において広く利用されている。
これまで,こうした計測法に用いられる光源には,主に比較的シートビームを生成しやすいDPSSレーザーが使われているが,波長変換によって発光効率が10%程度と低いことと,複雑な光学系が必要で価格が高いといった問題があった。
この製品は,LDの光を直接利用することで部品点数を大幅に減らし,かつ子会社でシネマ向け半導体レーザーを開発する,米NECSEL INTELLECTUAL PROPERTYの高出力LD(5W)を用いることで,十分な光量とビーム品質(ヘッドから1.5mまでビームシート厚約1mm)を確保しながらDPSSレーザーに比べて約3倍の高率化を達成した。
さらに,これまでは緑色光が用いられることが多かったこの測定法の光源として,安価な赤色(638nm)LDを用いたことも,低価格化に貢献。これまでの製品に比べて2/3~半分の価格を実現した。これにより,この計測法をより手軽に利用することができるようになるとしている。
現場での使用を想定し,ヘッド部はオイルミスとやコンタミに耐える設計とし,本体も防塵仕様としている。本体とは別にドライバがあり,調光も可能。