システム・ジェイディー,太陽光パネルの携帯型故障検出装置を開発

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクトの成果を活用して,システム・ジェイディーは,太陽光パネルの新たな携帯型故障検出装置「SOKODES GF(ソコデス GF)」を開発した(ニュースリリース)。

NEDOは,ベンチャー・中小企業等が保有している新エネルギー分野の潜在的技術シーズを活用した技術開発について,その技術面や事業化の面での優位性や独自性等の観点から,有望案件を選抜・育成し,事業化を見据えた支援をする「新エネルギーベンチャー技術革新事業」を2007年度から実施している。

この中で,2010~2012年度の間,システム・ジェイディーは,太陽光発電分野での活用が期待される太陽電池アレイ故障診断の技術開発に取り組み,現在,太陽光パネルが機能不全となる主な要因である断線による障害の有無やその位置の推定などが可能な故障検出装置の携帯型「SOKODES(ソコデス)」及び同様の機能をメガソーラーなどに組み込んだ組込型「SOKODES」を市場販売している。

また2015年に同社は,NEDO「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業」において,組込型「SOKODES」を用いた遠隔監視システムを,タイを起点として海外展開するため,大手通信インフラ企業と共同で先導調査を実施しており,その結果,地絡による障害を検出するユーザーニーズを明確にした。

今般,NEDOプロジェクトの成果を活用して同社は,従来製品の機能に加えて,絶縁不良(地絡)による障害の有無やその位置を推定する機能を備えた携帯型故障検出装置「SOKODES GF(ソコデス GF)」を開発した。

同社は,この装置について欧州などの販売展開に必要なCEマーキングの適合宣言を2016年1月21日に行なっており,今春より国内外に向けて販売を開始する。また,この装置の普及を進めるとともに,結晶シリコン系太陽光パネル以外での適用を目指した開発を行ない,さらなる有効活用を目指す。

今回開発した携帯型故障検出装置「SOKODES GF」は,従来のパネル内や接続ケーブルの断線を,日射量の影響を受けずに,ストリング単位で測定することにより検出する機能に加え,パワーコンディショナ(PCS)と太陽電池パネルの間に,複数のストリングを束ねるために設置される接続箱などから一括で測定することで,地絡の有無を検出する機能を搭載している。従来の断線検出機能と同様,地絡検出機能もストリング単位で測定し,不具合箇所を推定することができる。