オハラは,耐衝撃・高硬度の材料であるクリアガラスセラミックスの販売を開始した(ニュースリリース)。
このクリアガラスセラミックスは化学強化ガラスを凌ぐ耐衝撃特性と,サファイアクリスタルガラスを上回る強度を持つもので,同社がこれまで宇宙・天文分野で培ったナノテクノロジーを応用し,高い透過率を実現した。
具体的には,一般的なボロシリケートガラスと比べ,硬度が30%向上し,鋼球落下衝撃試験で10倍以上となっており,さらに化学強化ガラスと比較すると,硬度が20%向上し,鋼球落下衝撃試験で3倍以上の耐衝撃特性を持つ。落下試験では1.27mの高さから最大10倍の鋼球を落としても割れないという。
また,割れの原因となるクラックも発生しない。このような優れた特性を持つ製品だが,切削・研磨・成形性などはガラス並みの加工性を実現し,サファイアクリスタルガラスの20分の1程度に工程時間を短縮することができるとしている。
想定している用途はスマートフォンやタブレットなどのモバイル機器,オートモーティブ関連,医療機器や撮影機器など。透過率が高いという特長により,既に国産メーカー・一眼レフ交換レンズ用高級レンズプロテクター製品への搭載が決定しているという。