キャスレーコンサルティングは,東京農工大学と共同で,ナノスケール光学顕微鏡における画像回復の実証実験に成功した(ニュースリリース)。
可視光を用いた光学顕微鏡には分解能限界=200nmの壁がある。今回の実証実験では,東京農工大学・村山研究室が保有するナノスケール光学顕微鏡で撮影した蛍光ビーズの画像に対し,同社が開発した画像回復技術を適用して100nmスケールでの鮮明化に成功した。
この技術は,純粋な数学的アルゴリズムとフィルター処理で画像を鮮明化できるのが特長で,現在,生物系研究機関等に普及している低価格光学顕微鏡において一切の追加設備を導入することなくこれまで観察できなかった200nm以下のナノスケール対象物を観察することが可能となるという。
これは,観察ケースによっては超解像イメージングに必要であった蛍光試料の作製等も不要にできる可能性を拓くものだとしている。
同社は,目標分解能1nm(DNAの観察)をマイルストーンとして,今後もバイオ・ナノテク関連の産学連携共同研究を精力的に進めていく。
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