島津製作所は,「光とレーザーの科学技術フェア」(11月17日〜19日)において,RGBのレーザーを混色し,1本のシングルモードファイバーから出射するRGBレーザーモジュールを参考出品し,実際に光色を変化させるデモを行なっている。
このモジュールは本体部分の大きさが,幅約13mm,奥行約30mm,高さ8.4mmと超小型ながらRGBレーザーと各レーザーの出力をモニターするセンサーを搭載。波長はR:640±5nm,G:515±5nm,B:455±5nm。出力はそれぞれ>30mWとなっている。
レーザーは社外製だが,それぞれのレーザー光をまとめる光学系と,モジュール本体とファイバーを接続する部分に同社の技術が使われている。
特にファイバーのコアに対するレーザーの入射位置はμm単位で厳密に調整され,かつ長時間使用してもズレが出ないようにする必要がある。このため本体とファイバー接続部にレーザー溶接を用いた加工がなされており,これは同社ならではの技術だとしている。
同社ではこの製品を公式には発売していないものの,既にレーザーディスプレイ向けに一部出荷を始めており,製品にも搭載されているという。アプリケーションとしてヘッドマウントディスプレイ(HMD)などのウェアラウブル機器を想定しており,来年4月あたりには本格的な量産体制に入ると共に広く販売も開始する予定だ。
同社はさらに小型(容積0.9cc)のタイプの同モジュールも開発を進めているという。かつてHMDを製品化していた同社だが,再度市場参入を検討しているといい,将来的には自社製品に搭載されることになるかもしれない。