サクラクレパス,プラズマ強度を判断するラベルを開発

NEDOのプロジェクトにおいて,サクラクレパスは,プラズマにより変色する材料を用い,変色度合いの違いによりプラズマの不均一要因を視覚的に瞬時に判断できるプラズマインジケータ「PLAZMARK®」(耐熱性ラベル型)を開発した(ニュースリリース)。6月1日に販売を開始する。

プラズマの評価には,プラズマの発光を分光により解析する光学測定や,プラズマ中にプローブ電極を挿入し電気的に評価するプローブ法が一般的に用いられるが,それぞれ分布を評価するという点では課題があった。

サクラクレパスが開発したプラズマインジケータは,プラズマにより変色する材料を用い,変色度合いの違いによりプラズマ強度の違いを視覚的に判別することができる。また,色材に無機材料,基材にポリイミドを採用したことにより高い耐熱性と低放出ガスを実現した。

耐熱性は,有機色材を用いていた従来品の60℃から200℃に向上させ,インジケータからの放出ガスは,TDS測定において,高温でも真空度劣化が1×10-4Pa程度まで低減し,清浄な雰囲気を確保できた。これにより,高温でのプロセスや清浄性が求められる半導体製造プロセスでの活用が可能となった。

さらに,測定したい場所に手軽に貼り付けることができるよう粘着層付きの構造を採用し,フレキシブル性もあるため曲面に貼ることも可能。

これらにより,例えば,表面改質評価でよく用いられる接触角測定と比較して測定時間が1/10程度時間短縮できたり,また評価に時間がかかる膜質の評価なども,プラズマの不均一要因を視覚的に瞬時に判断できるため,量産ラインの装置稼働率を上げたり,同型装置の機差を判断することができるという。

同社はラベル型インジケータについて,半導体製造装置市場,LED市場,その他電子デバイス市場のほか,自動車,医療機器等他分野での採用を目指すとともに,新エネベンチャー事業の実用化研究開発支援で半導体メーカが使用する基板と同一形状の「ウエハ型インジケータ」の開発に取り組むとしている。