オリンパス,多光子励起レーザ走査型顕微鏡のラインナップを拡充

オリンパスは,科学事業の新製品として,多光子励起レーザ走査型顕微鏡「FLUOVIEW(フロービュー) FVMPE-RS」に,「門型(もんがた)顕微鏡システム」「倒立型顕微鏡システム」の2種類を追加し,2015年2月9日から全世界で順次発売する(ニュースリリース)。 価格は門型顕微鏡システムが7,044万円~,倒立型顕微鏡システムが7,004万円~。

同社は,生命科学の最先端研究に使用される生物用共焦点レーザ走査型顕微鏡と多光子励起レーザ走査型顕微鏡を「FLUOVIEW」シリーズとして展開している。同シリーズは,レーザ光を標本に照射し走査(スキャン)しながら,標本から発する微弱な光(蛍光)を検出することで,コントラストの高い立体画像と,組織の表面から最大8mmの深さまで明るく観察することができるのが特長。

多光子励起レーザ走査型顕微鏡「FLUOVIEW FVMPE-RS」は,同社生物顕微鏡の最上位機であり,組織深部の高速な生体反応を捉えることが可能。今回,従来の「正立型顕微鏡システム」に加え,「門型」と「倒立型」のシステムを追加する。これにより,研究者のニーズに応じた顕微鏡システムを提供する。

門型顕微鏡システムは,さまざまな大きさの標本を観察できるよう対物レンズの下に大きな空間を確保している。ステージを取り外せば,対物レンズの下に最大,幅 640mm x 奥行き 520mm x 高さ355mm x の空間を確保でき,自作の実験器具などを自由に配置し観察目的に応じた柔軟性のあるシステムを実現する。

倒立顕微鏡は,標本を下から観察する。この構造により,シャーレの底面に付着している培養細胞を,培養液に対物レンズを浸すことなく観察することが可能。再生医療やがんの研究で使われることが増えてきた,三次元培養を行なった細胞などの観察にも適している。