産業技術総合研究所(産総研)は,マグネスケールと共同で,超高精度で超高分解能のロータリーエンコーダを開発した(プレスリリ-ス)。
開発したロータリーエンコーダは,マグネスケールの高分解能ロータリーエンコーダに,産総研が開発したSelfA(自己校正機能付き角度検出器)の技術を応用したもので,これまでの市販品では達成できなかった360°を2の33乗(約86億)に分割した超高分解能,±0.03″(角度秒)の超高精度で角度を計測できる。
このロータリーエンコーダを組み込んだ工作機械で,複雑なエンジンブレードなどの加工を行なうと,形状精度が上がるだけではなく加工面の表面粗さが改善され,研磨せずに鏡面加工を行なえる可能性がある。またタービン部品や風力発電の歯車のように大型化と精密加工の両立が必要となる部品の加工精度と生産性の向上が期待される。
原理開発はこの研究で終了しているため,マグネスケールは,ユーザの利便性を考慮し検出ヘッドと内挿回路をユニット化したトータルシステムの商品化をこれから検討する。また,さらなる精度改善にも取り組み,現在±0.03″(角度秒)の角度誤差検出能力を±0.01″(角度秒)まで向上させることを目指す。