NHKと小糸製作所,クルムス蛍光体を用いた「目に優しい」白色LED照明を開発

NHKと小糸製作所 は,「目に優しい」クルムス(Cl_MS)蛍光体(紫色光を吸収し,黄色に発光する蛍光体。小糸製作所が東工大,名大らと平成24年に開発)を用いた白色 LED照明器具を,小糸製作所と共同で開発したと発表した(プレスリリース)。

NHKは現在,省エネルギー光源としてテレビ番組の制作現場における白色LED 照明器具の導入を進めているが,一部の出演者から「光源が視界に入るとまぶしく感じる」という声があった。

クルムス蛍光体を用いた白色 LED は,従来の白色 LED と比べてフラットな分光スペクトル特性に特徴があり,また発光面積を大きく設計できるため,出演者が光源を直視した際のまぶしさを低減することが可能。

今回,スタジオでキャスターを照らす「キャスターライト」と,ロケや中継で使用する「ソフトライト」の 2 種類の照明器具を試作,従来型の白色 LED 照明器具との比較評価を実施した結果,約 9 割の人が「試作品はまぶしくない」と回答した。

また,開発したLEDライトは演色性にも優れており,5 月 25 日(日)放送予定のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』(第 21 話・官兵衛幽閉シーン)の収録でも使用した。NHKは今後,さらに番組での試用などを重ね,番組制作用照明器具としての最適化を図っていくとしている。