富士通と富士通研究所は,富士通研究所が新たに開発した触覚技術により,ツルツル感やザラザラ感といった触感が得られるタッチパネルを搭載したタブレットを試作した。
従来から,タッチパネル自体の振動や静電気の発生により凹凸感などの感触を伝える技術はあったが,今回,富士通研究所は,超音波振動により,タッチパネルと指との摩擦力を変化させ,触感を提示する技術を業界で初めて開発した。
タッチパネル表面を超音波振動させることにより,パネル表面と指との間に高い圧力の空気膜を発生させると,その浮揚作用により摩擦力が低減する。この現象を利用すると,タッチパネルに触れた際に従来実現が難しかったツルツル感を感じることができる。超音波周波数帯の振動には大きなエネルギーを要するが,携帯端末サイズで効率よく振動させられる技術を開発し,この触感を試作機に実現することに成功した。
また,パネル上を操作する指のタッチ情報と画面の表示情報に応じて摩擦力の高低を瞬時に変化させることで,ヒトに触感の錯覚を誘発し,画面に凹凸感やザラザラ感も実現した。この触感情報に加え,ディスプレイに表示される視覚情報とスピーカから出力される音響情報を効果的に提示することで,画面に表示された情報をより豊かに表現する。
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