山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター・有機ELチームは,印刷プロセスによる10cm角のフレキシブル有機EL照明パネルを開発し,「nano tech2014」で出展した。
今回開発した有機EL照明パネルは,昨年公開した5cm角サイズのものから倍のサイズとなり,発光エリアも88mm×88mmとした。重量は約5g。
赤色(リン光材料),緑色(蛍光材料),青色(蛍光材料),白色(蛍光材料)の発光色ごとに試作しているが,いずれも同大教授の城戸淳二氏が開発した「マルチフォトン技術」が採用されている。また,フィルム基板には富士フイルム製の「スーパーハイバリアフィルム」を採用し,ダム-フィルの封止構造とした。ちなみにフィル材調合は同大独自のもの。
これまでパネルサイズを段階的に引き上げ,その性能の向上が図られてきたが,2015年までに150~200mm角サイズの有機ELパネルの開発を目指すとしている。
この4月には山形大学・有機エレクトロニクスイノベーションセンターと有機エレクトロニクス研究センターの一体運営となる有機EL技術の実証研究拠点が開設される予定で,この有機EL照明の実用化研究は,この拠点で取り組むことになる。