昭和電工,FA向けジスプロシウムフリー磁石用合金の開発に成功

昭和電工は,ジスプロシウムを使用せずに従来品と同様の性能を持つFA向けネオジム磁石用合金の開発に成功し,量産を開始した。

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産業用モータに用いられるネオジム磁石は,耐熱性を高めるためにジスプロシウムが添加されているが,ジスプロシウムはレアアースの中でも特に希少性が高く,採掘される地域も中国の一部に限定されていることから,将来の原料確保が不安視されている。

同社は磁石製造の前工程である磁石用合金メーカとして,ジスプロシウムを添加せずに添加品と同性能を維持するジスプロシウムフリー化の研究開発に取り組んでおり,すでに2%添加品と同性能のDyフリー磁石用合金を量産しているが,今回,4%添加品の性能まで向上させることができた。

今回の新合金は,HDD用ボイスコイルモータや風力発電用モータに加え,より添加量の多いFA向けについてもジスプロシウムフリー化を実現したものとなる。さらに,ジスプロシウムの添加量が多い電動パワーステアリング用や電気自動車のモータについても,同率でのジスプロシウムの削減を可能とするものであり,将来の資源制約の問題を解決するものとなる。

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