大阪大学基礎工学研究科助教の三輪真嗣氏らは、産業技術総合研究所ナノスピントロニクス研究センター主任研究員の野崎隆行氏らとともに、半導体ダイオードの性能を上回る、ナノメートルサイズの磁石を用いたスピントルクダイオードの開発に成功した。
携帯電話などで広く用いられるマイクロ波の検出方法として、現在は半導体ダイオードが使われているが、半導体ダイオードは性能指数である感度が既に理論限界に迫っているため、これ以上の性能改善は難しいとされている。
スピントルクダイオードは半導体とは全く異なる原理により動作するダイオードであり、2005年に同研究グループが提案したもの。しかし提案当時の性能指数は半導体を下回っていた。
今回、研究グループは非線形効果という新たな仕組みによりスピントルクダイオードの性能を大幅に向上させ、室温で半導体ダイオードの約3倍の感度を実証した。さらにこの新型ダイオードでは、素子の小型化によりもうひとつの性能指数である信号雑音比をさらに向上できることを見いだした。
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