京大、関節リウマチに特異的な血漿中マイクロRNAを同定

京都大学医学研究科准教授の吉富啓之氏、同大学院生(整形外科学講座)の村田浩一氏らの研究グループは、医学研究科(リウマチ性疾患制御学講座)特定准教授の伊藤宣氏と特定助教の布留守敏氏と協力して、22塩基程の小さなRNAであるマイクロRNAのうちmiR-24とmiR-125a-5pが関節リウマチ患者の血液で増加している事を発見した。

1

今回の研究では、768種類のマイクロRNAの発現を関節リウマチ患者と健常人の血漿で解析し、miR-24とmiR-125a-5pが患者の血漿で増加していることを明らかにした。104名の関節リウマチ患者と102名の健常人の血漿でこれらのマイクロRNAを測定したところ、miR-24とmiR-125a-5pはそれぞれ63.7%と53.9%の感度、89.5% と89.5%の特異度を示した。

安定して発現する内部標準のマイクロRNAとしてはmiR-30a-5pが適していた。またこれら三つのマイクロRNAを組み合わせた複合値は、より高い感度(78.4%)と特異度(92.3%)を示した。さらに抗CCP抗体が陰性の場合でも同様に、miR-24、miR-125a-5pおよび複合値は関節リウマチ患者を区別することができた。このことから、血漿中マイクロRNAは、抗CCP抗体が陰性の患者に対しても診断に有用であると考えられた。

詳しくはこちら