岡山大、2色のレーザでタンパク質糖鎖の有無の検出に成功

岡山大学大学院自然科学研究科地球生命物質科学専攻分析化学分野教授の金田隆氏の研究グループは、2色のレーザを用いた蛍光検出法により、簡便にタンパク質の糖鎖の有無を判別できる方法を開発した

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450 nm(青色)と532 nm(緑色)のレーザ光を検出部に集光し、交互にレーザ光を照射することで、各々のレーザ光を照射したときの信号を同時に記録するシステムを作製した。このとき、タンパク質は青色の光を照射したときに発光し、糖鎖と結合する物質(レクチン)は緑色の光を照射したときに発光する色素と結合しているため、2色のレーザを用いることでタンパク質がレクチンと結合しているかどうかを判別することができる。

研究グループは、タンパク質混合物をレクチンと反応させ、電気泳動により分離した後に、この方法で検出すると、青色レーザと緑色レーザによる2つの結果が同時に得られ、この2つを比較することで、どのタンパク質がレクチンと結合しているかがわかることを実証した。

タンパク質は化学修飾により機能を発現し、中でも糖鎖修飾はタンパク質の物質認識に重要な役割を果たしている。開発した検出法は、酵素処理などを必要とせず、直接、タンパク質の糖鎖の有無を識別できるため、抗体医薬品などの品質評価、がんの早期発見を可能にするマーカータンパク質の探索などへの応用が期待される。

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