遺伝学研、線虫胚の紡錘体における幅、長さと染色体量の定量的な関係性を解明

国立遺伝学研究所細胞建築研究室の原裕貴氏(総研大遺伝学専攻、現在はドイツEMBL研究員)と木村暁氏は線虫胚発生時に生じる様々なサイズの紡錘体を定量化した。

遺伝情報を担う染色体を分配する装置である「紡錘体」は、「ひし形」を回転させたような美しい形をしている。大きい紡錘体でも小さい紡錘体でも似たような「ひし形」ができあがるので、ひし形の縦と横のサイズの比は細胞内で何らかの制御を受けていると予想されるが、そのような制御についてはわかっていなかった。

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原氏らは、紡錘体の縦と横の長さが単純な比例関係(isometry)にはなく、「ひし形の横幅が、斜辺の約0.6乗に比例する」という、少し複雑だがきれいな関係性(allometry)があることを見いだした。

染色体の量を変えると、ひし形の横幅が染色体量の約0.4乗に比例することも見いだした。これらの関係性から、紡錘体のひし形構造を制御する新たな力学的機構について提唱した。

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