東京大学 物性研究所准教授の中辻知氏を中心とする研究グループは、名古屋大学、ジョンズ・ホプキンス大学、オークリッジ国立研究所と共同で、スピンアイス関連物質のPr2Zr2O7という新しい磁性体において、磁気モノポールが半導体中の電子のように量子力学的運動を行なうことを見いだした。
これは、磁気モノポールの持つN極、S極の情報を無散逸に伝送できることを意味する。さらに、こうした量子力学的運動は特定の法則に従うため、この法則を解き明かすことで磁気モノポールを自在に制御できるようになると考えられる。
本研究では、磁気モノポールを利用した省エネルギーのスピントロニクスの可能性を実験的に提示することに成功した。この成果は、スピンのナノ立体構造の制御による新しい不揮発性メモリ材料の開発などに新たな指針を与えると期待される。
本研究成果は、JST 戦略的創造研究推進事業 さきがけの一環として行なわれた。
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