物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 主任研究者の有賀克彦氏,同機構MANA研究者の川上亘作氏,同機構ポスドク研究員 (現・国立大学法人鳥取大学助教)井澤浩則氏らの研究グループは,人が与える力に応答して薬物を放出するゲル材料の開発に成功した。
このゲルに制吐剤であるオンダンセトロンを保持させ,患者による指圧を想定した刺激を与えると,それに応じて薬物が放出されることを確認。この効果は,少なくとも3日間持続することが分かった。抗がん剤治療時に吐き気を催している患者が,口から薬物を摂取することは困難だが,この材料を皮下に埋め込めば,それを押したりさすったりするだけで薬物が放出されると期待される。
他にもガンの痛み緩和や花粉症,喘息など,患者の意思で速やかに薬物投与を行ないたい状況は多く想定でき,こうした状況に対応する新しい薬物投与形態を提案するもの。
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