小糸製作所は,米クアナジー・システムズ製の「S3ソリッドステートLiDARセンサー」を内蔵した自動車ヘッドランプおよびテールランプシステムの試作品をCEATEC JAPANにて展示した。両者は今年1月,自動車ヘッドライトの概念設計で協業することを発表している(ニュースリリース)。
このヘッドランプ/テールランプシステムを採用した自動車は,前後左右計4つのLiDARを車両のコーナー部分に備えることになる。最終的にはそれぞれ左右60度,前方10~15度の検知を行ない,車両の周囲環境を広範囲にリアルタイム3Dビューで把握し,物体を認識・追跡できるようにする。
LiDARはランプ内部に目立たずに収められるので,車両の外観に影響を与えず,さらにランプのケース内に収められることでほこりや泥,水から保護され,レンズウォッシャーを使用することでセンサーにとっての明瞭な視界を確保できる。
また,LiDARの代わりにカメラを入れることもできるので,柔軟にADASや自動運転のシステム構成を変更することもできる。小糸製作所ではLiDARの供給先をクワナジーに決定したわけではないとしつつ,2020年~2025年には製品化したいとしている。