蛍光材料と生体イメージング研究への期待

1年ほど前,クラゲの蛍光蛋白質を使ったレーザ発振に,ドイツのグループが成功したとの報道がありました(Dietrich/Höfling/Gather)。ノーベル賞受賞者の下村先生が発見した蛍光蛋白質(GFP)を,大腸菌の中で増幅したものが用いられた様です。スコットランド(セントアンドリュー大)の研究者らの報告にはどのような内容かがもう少し詳しく述べられています(Photonic Spectra, p20, Aug. 2017)が,高効率な発振が実現できるかも知れないとのことで近年注目を集めているポーラリトンレーザの一種とのことです。ns-光パルス励起により,これまで難しかった室温での緑色発光に成功していて,他の蛍光体を用いれば青色や赤色での発光も期待されるとのことです。

蛋白質の分子サイズが効率良い発光に適当なのではないか,と書かれています。もととなる酵素は異なりますが,蛍光性を付与されたアデノシン3リン酸(ATP)を用いて,生物物理学の柳田先生が,かつて,筋肉の収縮は蛋白質分子のランダムな熱運動が基礎になっている事を明らかにされました。今回の蛋白質レーザを含め,生物が如何に上手く自然現象を活用しエネルギー効率よく活動しているかの例である様に感じられます。

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