ステープラ(ホチキス)

図1 各種ステープラ(ホチキス)特許の例
図1 各種ステープラ(ホチキス)特許の例

新学期のシーズンです。文房具の売れ行きが伸びる時期でもあるでしょう。文具にもいろいろあり,資料を綴じる文具ではステープラやクリップなどがあります。ステープラと言うより“ホチキス”とか“ホッチキス”と言った方が,通りが良いようです。今回はそんなホチキスの世界です。

一般的に紙の使用頻度が増えてくるに従い,19世紀後半になると様々な綴じ具が考案されるようになります。例えば,1866年に米国のジョージ・マックギルは小さな真鍮針を紙に刺した後に折り曲げる工具の特許(USP-56, 587)を取得し,翌年に針を押し込む構造を加えた特許(USP-67, 665:図1(a))を取得しています。更に彼は1879年に押し金で突き刺した針が,紙の裏側に飛び出た分を内側に曲げる方式による特許を基に製品化しています。“Single-Stroke Staple Press”と称するもので重さ1 kgを超える構造でした。

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