20世紀の前半には現在の技術を支える偉大な発明が続きました。中でも1906年頃にドイツのフリッツ・ハーバー(1868−1934)が発明した“空中窒素固定法”はその十指に数えられる発明とされ,後に“ハーバー=ボッシュ法”として工業的にも画期的な展開に至ります。今回はその発明者の周辺を追ってみました。
窒素は植物に必要な肥料の三大要素(他に,リン酸とカリウム)のひとつで,18世紀以前は家畜の糞尿による堆肥を窒素源としていましたが,19世紀に人工肥料として南米チリ産のチリ硝石を利用するようになります。
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